【「少年の名はジルべール」における信頼性】

【「少年の名はジルべール」における信頼性】

底本【少年の名はジルベール：竹宮惠子】小学館文庫
出版社 : 小学館
発売日 : 2019年11月06日
文　庫 : 272ページ

「少年の名はジルベール：竹宮惠子」小学館文庫250ページ
だいぶ前のことを中心に書いたので、細かいところに関しては、私の記憶違いも、もしかしたらあるかもしれない。どうかご容赦願いたい。

事実誤認【『ケーキケーキケーキ』について】
『ケーキケーキケーキ』前後編（原作：一ノ木アヤ）255ページ
初出誌「なかよし」1970年09・10月号別冊付録
【時系列】
前編「なかよし」1970年09月号別冊付録
　→1970年08月初旬発売（入稿は遅くとも1970年07月）
後編「なかよし」1970年10月号別冊付録
　→1970年09月初旬発売（入稿は遅くとも1970年08月）
1970年10月　萩尾望都、大泉で竹宮恵子と同居開始

「少年の名はジルベール：竹宮惠子」小学館文庫59-61ページ
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/163703...
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/163703...
入居したての萩尾さんが描いていたのは、『ケーキケーキケーキ』（『なかよし』）という短編だった。原作が付いた作品で、これをネームにして講談社に持ち込んでいたのだが、何度もボツになってしまうのでなかなか終わらないと言っていた。
「別に変なところはないと思うけど」と私が言うと、増山さんも「萩尾さんは悪くないよ。編集者がバカなんじゃない？　いいよ、これ。すっごく」と、いつもの調子である。
（中略）
萩尾さんの『ケーキケーキケーキ』に関していえば、それ以上のだめ出しをする編集者の意図が、よく理解できなかった。

「一度きりの大泉の話：萩尾望都」33-35ページ
『ケーキケーキケーキ』を描く
1970（昭和45）年３月、私はデザイナー学院を卒業しました。
この時期、講談社に『ビアンカ』を描いた後、講談社から一ノ木アヤ先生原作付きの『ケーキケーキケーキ』前後編の依頼が来ました。
この原稿の料金は１枚700円ぐらい。全部で20万円ほどの収入になります。大金だ。よし、そのお金を旅費と上京後の当座の生活費にしようと計画しました。
（中略）
『ケーキケーキケーキ』の前後編はほとんど大牟田で描き、仕上げを東京で描きました。原田千代子さんのアパートに何度もお世話になりました。
（中略）
『ケーキケーキケーキ』の仕上げは原田さんのアパートでやらせてもらいました。

＊「少年の名はジルベール：竹宮惠子」→「（萩尾望都が）『ケーキケーキケーキ』という短編」を描いたのは「上京したて（萩尾望都の上京は1970年10月）」
＊「一度きりの大泉の話：萩尾望都」→「ほとんど大牟田で描き、仕上げを東京で描きました」
＊遅くとも1970年08月に入稿した作品のネームを1970年10月に大泉で（何度もボツになりながら）作成するのは時系列的に不可能
＊そもそも『ケーキケーキケーキ』は225ページの作品であり、短編ではない
＊よって「少年の名はジルベール：竹宮惠子」における『ケーキケーキケーキ』の記述は事実誤認

事実誤認【メリーベルと銀のばら】
【メリーベルと銀のばら】
初出誌「別冊少女コミック」
第１話：1973年1月号
第２話：1973年2月号
最終話：1973年3月号
【ポーの一族】
初出誌「別冊少女コミック」
第１話：1972年09月号
第２話：1972年10月号
第３話：1972年11月号
最終話：1972年12月号
【欧州旅行】
1972年09月12日横浜港出発→ナホトカ

「少年の名はジルベール：竹宮惠子」小学館文庫154ページ
資料提供：https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/163703...
１ヶ月半も向こうに滞在すれば、何かが変わるかもしれないと期待もしていた。
『空が好き！（第２部）』の続編が描き終わるタイミングで行くことを目標にした。１ヶ月半後、日本に帰ってきたとき、ちょうど原稿料が入ってくる。萩尾さんは『メリーベルと銀のばら』（別冊少女コミック）の連載の最中で、急に旅行が決まったので何本か余分に書き溜めなければならなかった。