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【まんが家訪問13:竹宮恵子】

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ぱふ1979年08月号
発行日:1979年08月01日
出版社:清彗社




「ぱふ1979年08月号」160-161ページ
まんが家訪問13
(「漫波」1976年9月号掲載の再録)
竹宮恵子さん
背景も何も全部、私が描けという人が多いんですね。
(図版に続いてテキスト抽出あり)





まんが家訪問13
竹宮恵子さん
背景も何も全部、私が描けという人が多いんですね。

女性マンガ家の中に“花の二十四年組”と呼ばれる人たちがいるそうだ。
竹宮恵子、大島弓子、萩尾望都、池田理代子、山岸涼子といった人たちのことで昭和二十四年前後に生まれたので、そう呼ばれている。

少女マンガの作家というものは、それまでは 半年から一、二年で消えていくほどサイクルがはやかったのに、この“花の二十四年組”は頑張っているのだ。
竹宮さんは「みんな売れ残っているせいかしら」と笑うが、少女マンガが最近高く評価されてきていることとも関係がありそうだ。

竹宮さんについていえば「少女マンガに少年を主人公として登場させたこと、スピーディーな動きをとり入れたことなどでしょうね」とマ ネージャーの増山さんは言う。

竹宮さんはまた、COMに投稿していたことでも知られている。青柳裕介氏らと同期だ。
「今のマンガ家の中でCOMの影響を受けた人は多いと思いますよ。ただCOMを経験した人でも、最初からずっと読み続けた人は、あの中のいいところだけ吸収できてよかったと思うんですけど、最後の時期になると思想的な面が強く出すぎて、最後の頃だけしか読んでない人は どうでしょうね」

竹宮さんといえば“石森学校の生徒”ということでも通っている。
「私は少女マンガはあまり読まなかったんです。少年マンガばかり、それも石森先生の作品に熱中していました。だから、いまでも女の子の絵を描くのはにが手なんですよ」
竹宮さんに限らず女性の間に石森ファンは多く、その中から女性マンガ家としてデビューした人も多いという。

少年マンガを愛読していた影響が作品にも表われている。さきのマネージャーの言葉のとおり、主人公を少年にしたこと、動きを取り入れ たことなどだが、これにも最初は抵抗があった。「編集の方から少女マンガの主人公を男にするなんてダメだ、それでは読まれないというんです。でもそんなことはないという絶対の自信がありました」
少女マンガ特有のむずかしさもある。

「筋書きも大切ですが、ムード、感覚が非常に重要視されるんですね。それに常に新しい展開が要求されます。少年マンガでは野球やボクシングの一試合が延々と何ヶ月も連載されることがありますが、少女マンガではそんなことはできません」

毎週、毎週、読者から反響があり、きびしい批判もあるので、手がぬけないという。
竹宮さんの場合「背景も何も全部、私が描けという人が多いんですね。アシスタントをあまり使えないんですよ」この点もアシスタントを 多くかかえた少年マンガ家とは違う点だ。

“花の二十四年組”の一員である竹宮さんはこうした苛酷な状況をなんとか切りぬけてきたのだ。

さらにつけ加えれば、読者アンケートも悩みのタネらしい。このアンケートは人形などのプゼントが付いているので、このプレゼント目あての人がかなりいて、少女コミックの場合、竹宮恵子、大島弓子、萩尾望都の“大御所”が下位低迷の常連という。支持してくれるマニヤとの板バサミがあるのだ。

ところで、竹宮さんと萩尾さんはかつていっしょに暮らしてマンガを描いていた時期がある。二人とも少年をよく主人公に登場させるし、互いに影響しあうところがあったのだろう。

少年といえば、少年愛を最初にテーマにしたのは竹宮さんだという。現在、連載中の「風と木の詩」は最初に少年どおしのベッドシーンというショッキングなスタート。当然、話題を呼んだが、この作品は七年前からあたためてきたもの。しかも三年前に、こういう作品を描くと宣言しており、竹宮ファン待望のものだった。

「愛には男と女、男と男、女と女というパターンがあるというのが竹宮の考えで、男と女の場合、子供が生まれるというような結果、発展がありますが、同性の場合はそういうものが何もない。それだけにたえず純粋で緊張していると思うんです」(増山さん)

長編になるということだが、少女マンガの中にこうした傾向の作品がかなりの位置を占めているだけに、一つの頂点を示す作品となるかもしれない。“花の二十四年組”の一層の頑張りが期待できそうだ。

竹宮さんは徳島の出身。高校生のとき十八歳でデビュー、徳島大教育学部中退。

(76年漫波9月号掲載)



ぱふ1979年08月号

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