最終更新: mototemplate 2021年09月23日(木) 11:15:22履歴
【インタビュー:アシスタント】
ぱふ1982年8-9号「特集竹宮恵子part2」
ぱふ1982年8-9号「特集竹宮恵子part2」
発行日:1982年08月01日
出版社:雑草社
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/163189...
インタビュー:アシスタント
(画像2枚に続いてテキスト抽出あり)
インタビュー:アシスタント
根岸恭子
昭和53年(1978年)4月入社 現在に至る
藤田恵美子
昭和53年(1978年)4月入社 昭和54年4月退社
瀬川享子
昭和57年(1982年)4月入社 現在進行形です
菅谷=みすた・ベルネ
ド修羅場のお手伝いさん
ーーアシスタントを志望した理由は?
根岸 私は、半年でデザイン学校をやめて家でゴロゴロしてたの。すると親が「就職しなさい」ってせっつくんですよね。で、一生懸命入社試験を受けたりしたんだけど、面接で社長とケン力して落ちちゃうという....(笑)。でここに、たまたま買った『少コミ』に載っていた記事を見て応募しました。
藤田 学生をやってまして、私もたまたま募集記事を見て、どうせ応募するなら有名の人のアシストしようと(笑)。
瀬川 私は「嫁にいけ」とうるさくいわれて...(笑)。こっそりだしたら通知が来まして、すっとんで来ました。
増山 200通近い応募原稿が来るのね。書類審査を経て、大体10人前後にしぼって、実際に仕事をやらせちゃう。これが面接試験。
藤田 恐ろしかった。
根岸 怖かった。
増山 藤田さんは不思議な入り方をしたのよね。メシスタントで応募して、それからアシストに。
藤田 才能があったんですよ(笑)。実力以外の何ものでもない(爆笑)実 は後で聞いてガックリしたんですけど、もうプロで通用しそうなうまいんは落としたそうです(笑)。
ーー仕事中はどんな雰囲気ですか?
一同 皆さんが想像する以上、なごやかでにぎやかですよ。
藤田 ずーっと描いていると緊張してきちゃうでしょ。そうして誰かが騒ぎ始めると、どどどどーっと(笑)。
菅谷 わーっと騒いでるか、黙って仕事してるか、暗ーくなってるか、どれかね。
根岸 今日なんかは徹夜明けだから、 頭がぱあーになってる。
菅谷 今日なんかは、私が来てるからギリギリだったのよね(笑)。私はいつもギリギリの時だけ呼ばれるの。
ーー修羅場はどういう風に?
藤田 緊張からくるヒステリーで、笑いがとまらなくなるという(爆笑)。
根岸 でも、修羅場修羅場っていう程、雰囲気は悪くないのよね。先生のあのおっとりした人柄のおかげで。
ーー仕事をしていて気を使うことは?
瀬川 私はすごく汗っかきなもので、 原稿をする(「する」に傍点あり)んですよね。それで手の下にハンカチを置く事にしてます。
根岸 点描をうったのを先生に渡す時に、先生が点描をすらないよう、一生懸命ドライヤーをかけてから「先生すらないでね」と言って渡す(笑)。
ーー竹宮さんと仕事をしていて、特に感じられることというのは?
根岸 やればできるって事ですかね。今日だって駄目だもう落ちる!と思ったのに出来ちゃった。死ぬ思いで頑張って。
藤田 私は好きな仕事を選ぶというのは、大変な事なんだなあ...ってことです。
瀬川 切りばり原稿をはじめて見たこと。それが印刷されると、どうしてあんなにきれいになるのかと(笑)。
ーー現在の仕事の分担は?
根岸 私がバックを描いて、まだ新人の瀬川さんは小物とか模様を描いたり、まあ仕上げが多い。あとカラーの下塗りとかです。
ーーエピソードや失敗談は?
根岸 うちの先生は寛大で、これはダメかなって思いつつ絵をもっていっても、「うん、いいよ」って言ってくれる。
増山 大分丸くなったのよね。昔は切りばり、切りばり。注文が厳しかった。
根岸 最近ミスノンが横行して...(笑)。
藤田 アシスタントになりたての頃、原稿の寸法の縦を1cm長くしちゃって 編集の人から暗い電話が...(笑)。でも先生は一言、「気をつけて下さい」。何も言われないから、かえって考えちゃう。
根岸「アンドロメダ・ストーリーズ」であがった!と言ったとたんに、一枚足りないって事があって。結局先生の製図版の下にあったんですが、これが 何と未完成原稿!(笑)。
ーー雑誌に掲載されてからの失敗は?
根岸 よくありますよ。ホワイトしてないとか、ベタ忘れとか。ーーで、「いい、いい、単行本の時に直すから」と。結局、そのまま出たりして。(笑ってごまかす)
藤田 根の暗い読者は、そいううのを見つけて喜ぶんですよ。ワッと抗議の手紙が来ます。
ーーアシストさんから見た竹宮さんはどういう方ですか?
根岸 まあ、一言で言えばベムですね(笑)。
ーーお好きな作品、キャラクターは?
藤田「地球へ...」や「風と木の詩」は言うまでもないですが、「ロンド・ カプリチオーソ」が好きです。
根岸 私も好きな作品は「ロンカプ」なんだけど、キャラクターは「魔法使いの弟子」のリィトム君。
瀬川 私は「そばかすの少年」で、キャラはニナちゃん。
ーーこれからの竹宮さんに期待することは?
瀬川 何にでも挑戦してみようって気持ちを忘れないで欲しい。
根岸 私達も何が出来るか楽しみだし。
藤田 実生活にかかわっちゃうと、もっと楽をしてほしいと思うけれども、 いざ作品を読んでしまうと、もっともっといいのを読ませてくれ!と(笑)。矛盾してるけど、貧欲にそう思ってしまうです。
一同 最後に、仕事を減らした方がいいと思います。体をこわしちゃいます よ、先生!!
面倒を見てあげたいタイプ
原のりこ
ーーアシスタントになったのは、何年前ですか?
原 約6年位前です。
ーーアシスタントを志望した理由は?
原 ミーハーのファンでして、まんがって全然描いた事がなかったんですが、 そばに行きたいという一念で送っちゃったんです。
ーーお会いした時の印象は?
原 その頃、すごく迫力のあるアシスタントがいたんですね。その方が先生 だと思って、おじぎをしようとしたらば、反対の方角から「竹宮です。」とか言われて(笑)。もしかしたら嘘つかれているんじゃないかと、ちょっと怪訝な眼で見ちゃったというか。
ーー最初の仕事は何でしたか?
原 私は描けない割にずうずうしかったので、「仕事くれくれ」って言ってて、最初から背景の描かされてたんです。椅子とか、窓とか部分的なものを。
ーー仕事中の雰囲気は?
原 竹宮先生は割と淡々とやってましたね。話を聞いてたり聞いてなかった りで、気が向けば自分も話すという感じで。マイペースでやっていると思い ますが。
ーー修羅場は?
原 毎回が修羅場だし、修羅場の緊張感って疲れるので、かえってぺちゃくちゃしゃべりながら仕事をするんです。
ーー仕事をしていて気を使うことは?
原 編集さんがつめかけているから、そっちの事とか、臨時でアシに来て下さる方に、居心地のいいようにという風に。例えば、お腹がすいてても言えないとか、そういうのがすごく気になるもので、気を使ってます。空腹は人 類の敵です!
ーー絵を描くという点では?
原 手の脂って原稿につきやすくて、墨をはじいちゃうんです。だから、描く方の右手の下には、常時ティッシュを敷いてやってます。
ーー竹宮さんと仕事をしていて、特に感じられることというのは?
原 あれだけ忙しいのに、よくヒステリーを起こさずにやってるな(笑)と思います。
ーー失敗談はありますか?
原 今でもよく言われるんですが、ものすごい修羅場の時に、4階から原稿を落っことしちゃったんですね。
ーー大丈夫でしたか?
原 (笑)大丈夫でした。でも、丁度夜中でね。丁度夜中で、懐中電灯を買いに行ったりして捜したんですけど、見つからないし、雨が降ってくるし。結局2階のベランダに落ちていて助かったという感じです。
ーーアシスタントから見た竹宮さんは?
原 男性的な考え方をする時もあるし、女性だなと思う時もあるし。普段はのぼ〜っとしてて、こっちが面倒見てあげなくちゃって思わせるタイプなんですね。
ーー男性的な感じがするというのは?
原 ちょっとした応対の仕方というのか、トラブルが起こった時とか。でも、場合によるんですけどね〜。
ーーアシスタントになって良かったと思うことは?
原 ファンで入って、内情を見てね、幻滅するというのが全然なかったんですね。すごく入って良かったと思いました。
ーーお好きな作品、キャラクターは?
原 私は「風と木の詩」が好きで入ったんです。ファンのなり始めというのは、「空がすき!」なんですが。キャラクターは割と主人公至上主義と所があるから(笑)。だから、好きっというのではないけど、応援しているのはジルベールなんです。(セルジュは脇役と信じてます。)
これからの竹宮さんに期待する事は。
原 どんどん面白いものを描いてもらいたいな等と思ってます。
(電話インタビューより構成)
ぱふ1982年8-9号「特集竹宮恵子part2」
ぱふ1982年8-9号「特集竹宮恵子part2」
発行日:1982年08月01日
出版社:雑草社
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/163189...
インタビュー:アシスタント
(画像2枚に続いてテキスト抽出あり)
インタビュー:アシスタント
根岸恭子
昭和53年(1978年)4月入社 現在に至る
藤田恵美子
昭和53年(1978年)4月入社 昭和54年4月退社
瀬川享子
昭和57年(1982年)4月入社 現在進行形です
菅谷=みすた・ベルネ
ド修羅場のお手伝いさん
ーーアシスタントを志望した理由は?
根岸 私は、半年でデザイン学校をやめて家でゴロゴロしてたの。すると親が「就職しなさい」ってせっつくんですよね。で、一生懸命入社試験を受けたりしたんだけど、面接で社長とケン力して落ちちゃうという....(笑)。でここに、たまたま買った『少コミ』に載っていた記事を見て応募しました。
藤田 学生をやってまして、私もたまたま募集記事を見て、どうせ応募するなら有名の人のアシストしようと(笑)。
瀬川 私は「嫁にいけ」とうるさくいわれて...(笑)。こっそりだしたら通知が来まして、すっとんで来ました。
増山 200通近い応募原稿が来るのね。書類審査を経て、大体10人前後にしぼって、実際に仕事をやらせちゃう。これが面接試験。
藤田 恐ろしかった。
根岸 怖かった。
増山 藤田さんは不思議な入り方をしたのよね。メシスタントで応募して、それからアシストに。
藤田 才能があったんですよ(笑)。実力以外の何ものでもない(爆笑)実 は後で聞いてガックリしたんですけど、もうプロで通用しそうなうまいんは落としたそうです(笑)。
ーー仕事中はどんな雰囲気ですか?
一同 皆さんが想像する以上、なごやかでにぎやかですよ。
藤田 ずーっと描いていると緊張してきちゃうでしょ。そうして誰かが騒ぎ始めると、どどどどーっと(笑)。
菅谷 わーっと騒いでるか、黙って仕事してるか、暗ーくなってるか、どれかね。
根岸 今日なんかは徹夜明けだから、 頭がぱあーになってる。
菅谷 今日なんかは、私が来てるからギリギリだったのよね(笑)。私はいつもギリギリの時だけ呼ばれるの。
ーー修羅場はどういう風に?
藤田 緊張からくるヒステリーで、笑いがとまらなくなるという(爆笑)。
根岸 でも、修羅場修羅場っていう程、雰囲気は悪くないのよね。先生のあのおっとりした人柄のおかげで。
ーー仕事をしていて気を使うことは?
瀬川 私はすごく汗っかきなもので、 原稿をする(「する」に傍点あり)んですよね。それで手の下にハンカチを置く事にしてます。
根岸 点描をうったのを先生に渡す時に、先生が点描をすらないよう、一生懸命ドライヤーをかけてから「先生すらないでね」と言って渡す(笑)。
ーー竹宮さんと仕事をしていて、特に感じられることというのは?
根岸 やればできるって事ですかね。今日だって駄目だもう落ちる!と思ったのに出来ちゃった。死ぬ思いで頑張って。
藤田 私は好きな仕事を選ぶというのは、大変な事なんだなあ...ってことです。
瀬川 切りばり原稿をはじめて見たこと。それが印刷されると、どうしてあんなにきれいになるのかと(笑)。
ーー現在の仕事の分担は?
根岸 私がバックを描いて、まだ新人の瀬川さんは小物とか模様を描いたり、まあ仕上げが多い。あとカラーの下塗りとかです。
ーーエピソードや失敗談は?
根岸 うちの先生は寛大で、これはダメかなって思いつつ絵をもっていっても、「うん、いいよ」って言ってくれる。
増山 大分丸くなったのよね。昔は切りばり、切りばり。注文が厳しかった。
根岸 最近ミスノンが横行して...(笑)。
藤田 アシスタントになりたての頃、原稿の寸法の縦を1cm長くしちゃって 編集の人から暗い電話が...(笑)。でも先生は一言、「気をつけて下さい」。何も言われないから、かえって考えちゃう。
根岸「アンドロメダ・ストーリーズ」であがった!と言ったとたんに、一枚足りないって事があって。結局先生の製図版の下にあったんですが、これが 何と未完成原稿!(笑)。
ーー雑誌に掲載されてからの失敗は?
根岸 よくありますよ。ホワイトしてないとか、ベタ忘れとか。ーーで、「いい、いい、単行本の時に直すから」と。結局、そのまま出たりして。(笑ってごまかす)
藤田 根の暗い読者は、そいううのを見つけて喜ぶんですよ。ワッと抗議の手紙が来ます。
ーーアシストさんから見た竹宮さんはどういう方ですか?
根岸 まあ、一言で言えばベムですね(笑)。
ーーお好きな作品、キャラクターは?
藤田「地球へ...」や「風と木の詩」は言うまでもないですが、「ロンド・ カプリチオーソ」が好きです。
根岸 私も好きな作品は「ロンカプ」なんだけど、キャラクターは「魔法使いの弟子」のリィトム君。
瀬川 私は「そばかすの少年」で、キャラはニナちゃん。
ーーこれからの竹宮さんに期待することは?
瀬川 何にでも挑戦してみようって気持ちを忘れないで欲しい。
根岸 私達も何が出来るか楽しみだし。
藤田 実生活にかかわっちゃうと、もっと楽をしてほしいと思うけれども、 いざ作品を読んでしまうと、もっともっといいのを読ませてくれ!と(笑)。矛盾してるけど、貧欲にそう思ってしまうです。
一同 最後に、仕事を減らした方がいいと思います。体をこわしちゃいます よ、先生!!
面倒を見てあげたいタイプ
原のりこ
ーーアシスタントになったのは、何年前ですか?
原 約6年位前です。
ーーアシスタントを志望した理由は?
原 ミーハーのファンでして、まんがって全然描いた事がなかったんですが、 そばに行きたいという一念で送っちゃったんです。
ーーお会いした時の印象は?
原 その頃、すごく迫力のあるアシスタントがいたんですね。その方が先生 だと思って、おじぎをしようとしたらば、反対の方角から「竹宮です。」とか言われて(笑)。もしかしたら嘘つかれているんじゃないかと、ちょっと怪訝な眼で見ちゃったというか。
ーー最初の仕事は何でしたか?
原 私は描けない割にずうずうしかったので、「仕事くれくれ」って言ってて、最初から背景の描かされてたんです。椅子とか、窓とか部分的なものを。
ーー仕事中の雰囲気は?
原 竹宮先生は割と淡々とやってましたね。話を聞いてたり聞いてなかった りで、気が向けば自分も話すという感じで。マイペースでやっていると思い ますが。
ーー修羅場は?
原 毎回が修羅場だし、修羅場の緊張感って疲れるので、かえってぺちゃくちゃしゃべりながら仕事をするんです。
ーー仕事をしていて気を使うことは?
原 編集さんがつめかけているから、そっちの事とか、臨時でアシに来て下さる方に、居心地のいいようにという風に。例えば、お腹がすいてても言えないとか、そういうのがすごく気になるもので、気を使ってます。空腹は人 類の敵です!
ーー絵を描くという点では?
原 手の脂って原稿につきやすくて、墨をはじいちゃうんです。だから、描く方の右手の下には、常時ティッシュを敷いてやってます。
ーー竹宮さんと仕事をしていて、特に感じられることというのは?
原 あれだけ忙しいのに、よくヒステリーを起こさずにやってるな(笑)と思います。
ーー失敗談はありますか?
原 今でもよく言われるんですが、ものすごい修羅場の時に、4階から原稿を落っことしちゃったんですね。
ーー大丈夫でしたか?
原 (笑)大丈夫でした。でも、丁度夜中でね。丁度夜中で、懐中電灯を買いに行ったりして捜したんですけど、見つからないし、雨が降ってくるし。結局2階のベランダに落ちていて助かったという感じです。
ーーアシスタントから見た竹宮さんは?
原 男性的な考え方をする時もあるし、女性だなと思う時もあるし。普段はのぼ〜っとしてて、こっちが面倒見てあげなくちゃって思わせるタイプなんですね。
ーー男性的な感じがするというのは?
原 ちょっとした応対の仕方というのか、トラブルが起こった時とか。でも、場合によるんですけどね〜。
ーーアシスタントになって良かったと思うことは?
原 ファンで入って、内情を見てね、幻滅するというのが全然なかったんですね。すごく入って良かったと思いました。
ーーお好きな作品、キャラクターは?
原 私は「風と木の詩」が好きで入ったんです。ファンのなり始めというのは、「空がすき!」なんですが。キャラクターは割と主人公至上主義と所があるから(笑)。だから、好きっというのではないけど、応援しているのはジルベールなんです。(セルジュは脇役と信じてます。)
これからの竹宮さんに期待する事は。
原 どんどん面白いものを描いてもらいたいな等と思ってます。
(電話インタビューより構成)
最新コメント