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【美少年の季節】

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別冊太陽〔少女マンガの世界2〕昭和38年-64年
出版社:平凡社
発行日:1991年10月17日




「別冊太陽〔少女マンガの世界2〕」108ページ
美少年の季節
ホモセクシュアルの虚構
(図版に続いてテキスト抽出あり)




美少年の季節
ホモセクシュアルの虚構

開かれた禁断の花園

24年組のもたらしたもののひとつが「少年」だった。それは時に「少女」の変身した姿としての「少年」であり、人間としての「少年」であったわけだが、D・ボウイ、T・レックス等のグラムロック、美形ロッカーの登場もあって、弄ばれる存在としての「美少年」が浮上していった。それは、ホモセクシュアルという、少女にとって傷つけられることのない禁断の花園、秘密の異世界が、コメディーのネタ、あるいは純粋に知的興味の対象として少女マンガに現れることでもあった。ハシリは東峯子のD・ボウイを登場させたコメディー『戦場に咲いた赤いバラ』(四七年、ファニー)である。岸裕子が、日本舞踊の名取にしてオカマチックな美少年玉三郎を主人公にしたシリーズを開始するのは昭和四九年のことである。基本はラブコメだが、少年のユニークなキャラクターに焦点は当たり、その美しさが生み出す事件が笑いを作っていく。自らデカダンロマンと銘打った作品を手がけていた名香智子は双子の美少年を主人公にした「美女姫シリーズ」を発表、一条ゆかり、里中満智子といったベテランもそうした傾向の作品を手がけていった。そこに、ハチャメチャホモチックパロディー『イブの息子たち』というとんでもない作品を投げ込んだのが青池保子だ。これで新生面を切り開いた彼女は、美形怪盗エロイカとエーベルバッハ少佐を主人公にした『エロイカより愛をこめて』で圧倒的な人気を集めていくことになる。ロック、デカダン、ホモセクシュアル、ビザーレ、吸血鬼、等々……ペダントリーに満ちた「新少女趣味」とでもいうべきそれは、美少年という免罪符と共に、少女マンガを新たな世界へ突入させていき、「JUNE」という雑誌を創刊させるきっかけともなっていった。それは少女マンガを二分していくことになるのだ。



別冊太陽〔少女マンガの世界 2〕】1991年10月01日
 【別冊太陽〔少女マンガの世界2〕もくじ】
 【米沢嘉博:少女マンガの現在・過去・未来】
 【西谷祥子:時代の中央線を歩け】
 【ささやななえ:三つの衝撃】
 【萩尾望都 ロマンティックな変革者】
 【竹宮恵子 意志と関係論】
 【中島梓:未曾有の時代】
 【進化するSF少女マンガ】
 【米沢嘉博:恋から始まる少女マンガの大冒険】

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