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【『ファラオの墓』こぼれ話:竹宮恵子作品集13】

資料提供:https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/167348...



ファラオの墓5
プチコミックス竹宮恵子作品集13
出版社:小学館
発売日:1979年10月15日






プチコミックス竹宮恵子作品集13:84ページ
☆『ファラオの墓』こぼれ話1


昔、まだ比較的“自分の時間”を持てた頃、雑誌に載せることとは全く無関係に、自分の楽しみのため、あるいは友人を喜ばせるために、いろいろと作品を描いていましが、「ファラオの墓」も、そんな作品のひとつでした。
たまたまその未完成の原稿が、編集者の目にとまり、世に出ることになったのです。

なにぶん気ままに描いていたものですから、原本は奇想天外天衣無縫、舞台も「地球上のどこか」というありさまで、連載決定後、急遽、舞台をエジプトに設定しました。おかげでやたらとエジプト関係の本を読むはめにおちいりましたが、本音をはけば気ままに描いていた時のほうが楽しく創れました。

以上のような理由から古代エジプトに、スネフェルやサリオキスのごとき金髪に青い目の少年たちが活躍することとなりましたが、実際のエジプト人は、チョコレート色の肌に、黒眼、黒髪です。



プチコミックス竹宮恵子作品集13:98ページ
☆『ファラオの墓』こぼれ話2


長い物語の中からは、たくさんの登場人物が生まれて来ます。その中から必ず、ひとりやふたり、作者が好きでたまらぬ人物が出てくるものです。それは主人公であったり、3コマで消えてしまう名もない脇役であったりするのですが、ほれこんだら最後、物語が終了しても、いつまでも愛おしく思うものです。今回はスネフェルがまさにそのような存在でありました。

登場人物というのは、最初から、できあがっているものではなくて、描いているうちに、その性格や魅力が、徐々に広がってゆくのです。スネフェルも、描けば描くほど好きになり、すじ書き上、あまりたくさん描けなかったのが、心残りです。

私は、少年を主人公にした話ばかりを描くと、よく人から言われますが、その理由(わけ)は、少女が描けない故(ゆえ)なのです。気も強く、個性も強い少女ならば描けますが、かわいらしい少女というものが描けませんでした。それ故、ナイルキアが生まれた時は、自分d値も、こんな少女が描けるのかと意外に思ったものです。



プチコミックス竹宮恵子作品集13:146ページ
☆『ファラオの墓』こぼれ話3
「エステーリア戦記」騒動


連載になかばをこえた頃から、読者のお手紙の中に「エステーリア戦記」はどの出版社から出ているのか、その入手方法は? という質問が増えはじめました。むろんこの「エステーリア戦記」なるものは、まったくの私の創作で、この世に存在しておりません。

しかし読者諸君の夢を破るのも悪かろうと、この種の質問に関しては沈黙を決めこんでいました。連載終了後も小中学生をはじめかなり年配の方からに達筆な質問状等、お手紙があとをたたず、某国立図書館から「『エステーリア戦記』を購入したいのですが、くわしいことを……」との質問を受けるに致っては(←原文ママ:正しくは「至っては」)私もビックリ仰天。ここに「戦記」が架空のものであることを明記させていただきたいと思います。

またサリオキス、スネフェル等の物語の登場人物も皆、架空の存在でありますゆえ、エジプトを訪問したとて彼らの墓は、ありませぬぞ。


竹宮「ファラオの墓」はデビュー前の習作

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