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【インタビュー:佐藤史生】
ぱふ1982年8-9号「特集竹宮恵子part2」

ぱふ1982年8-9号「特集竹宮恵子part2」
発行日:1982年08月01日
出版社:雑草社


資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/163189...


“井草ランランクラブ”で遊びました
佐藤史生(漫画家)
(画像に続いてテキスト抽出あり)



“井草ランランクラブ”で遊びました
佐藤史生(漫画家)

ーーー竹宮さんとお会いになったのはいつ頃、どういうきっかけで?

佐藤 10年位前です。萩尾さんと竹宮さんが一緒に住んでおりまして。それでモー様にファンレターを出しましたら、遊びに来いということで行きまして、それでお会いしました。

ーー竹宮さんに初めてお会いした時の印象というのは?

佐藤 非常に(竹宮さんの)まんがで持ってた印象と違う感じですね。それまでは今のまんがとちょっと違ってて、キップのいいちょっとグラマーなお姉さんという人が主人公だったりして、どうしてもその人の描く主人公というのに作者のイメージを重ねますから、読む方は。わりとグラマーな、大柄な姉御肌の人というイメージを、無意識のうちに持ってたわけですね。会ったら、これがまあ小柄な美少年風の感じだったので、とても印象的でした。

ーー当時の大泉サロンはとても熱気があったそうですが?

佐藤  そうですね、それはもう非常にありましたね。すごいエネルギーで。自分の作品を描くということに関しては、あそこに行ったおかげで5年位先にのびました(笑)。自分が描くよりあんな素晴らしいまんが家が2人も揃っているし、友だちはまわりにいるしで全然描きたいという気がしなくて満足しきって。

ーー「ウェディング・ライセンス」の頃、アシスタントをなさってたそうですね?

佐藤 ええ、「ウエディング・ライセンス」と「ロンド・カプリチオーソ」は殆ど専門的にアシストしてましたね

ーー殆どバックとかを全部?

佐藤 いえ、そんなことないです。その頃はよくは覚えていないんですけど、 後の方になると大勢人が来るんですが、最初の頃は私とケーコタンと2人だけでやったことがあって、その時はもうバックなんか描く余裕も私にはありませんで、完全に彼女が最初から絵を描いて、その他のことを全部私がすると。それでほぼ同じ位に仕事があがるという(笑)そういう感じでしたね。

ーーそうすると、かなり竹宮さんと密着して描いていたみたいですか?

佐藤 そうですね。彼女が今のお家の近くの仕事場ですか、あそこに最初に引っ越した頃に「ウェディング・ライセンス」などをやったんですが、殆ど居ずっぱりに居たことがありますね。 週の内、4日位が仕事なんですけれど、あとの3日も帰らないで遊ぶんですね(笑)

ーー勉強になった点とかはありますか?

佐藤 もちろんあります。デッサンとかじゃなくて、例えば輪かくは太く描くとか、そういう非常に初歩的なー私は何も知らなかったのでーそういうようなことをみんな教えてもらいました。

ーーーからこういう風に描いていくんだという感じですか?

佐藤 いえ、あんまりアシスタントと先生という感じがあの頃はまだなかった、そういう時代じゃなかったんですね。

ーー友だちという感じで?

佐藤 そうですね。私の方が先生と、奉る感じが全然なくって、馴ついていたというか馴れ馴れしいというかそういう感じでーだからあんまりきちんと教えてもらうという関係じゃないんですけどもーただ、竹宮さんはテクニックというものをきちんと意識して覚える方の作家だと思うんですね。少年まんが的な感じですね。ですからそういうものをポロポロと「それはこういう具合いにすれば浮き出るのよ」とか しゃべりつつ仕事しつつ知らず知らずのうちに教えてもらいましたね。きちんと体系的なものじゃなかったですけど。

ーーその頃のことで、面白いエピソードなどはありませんでしたか?

佐藤 うーん...とっさにそういわれても...なにしろ、ズルズルベッタリとあの辺にトグロ巻いていたので、いろいろあることはあるんですが…「下井草ランランクラブ」なんてのをつくって遊び呆けたり...

ーー人間・竹宮恵子、作家・竹宮恵子の二方面からの感想をお願いします。

佐藤  人間竹宮恵子ですか。最初に会った時のイメージが鮮烈なのとーほんとに何でもできる人なんですよ。頭がよくて、美人で万能レディとなると、これを人間、というんでしょうかねえ。作家としてはやはり、女性にはめずらしい実業家タイプですよね、男性的というのか。スケールが大きくて素晴らしいですね。女の人ではめったにない型だから、貴重だと思います。

ーーこれからの竹宮さんに期待することは?

佐藤 それはもう、そこにありますね。手広く仕事を広げてですね、やってほしい。そういう事は性格的なもので、誰にでも出来るというわけじゃないと思うんです。やれる人はやるべきです。
(電話インタビューより構成)

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