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【竹宮恵子 意志と関係論】

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別冊太陽〔少女マンガの世界2〕昭和38年-64年
出版社:平凡社
発行日:1991年10月17日




「別冊太陽〔少女マンガの世界2〕」84ページ
竹宮恵子 意志と関係論
少年たちの時代
(図版に続いてテキスト抽出あり)




竹宮恵子 意志と関係論
少年たちの時代

少年に昇華した少女の憧れ

竹宮恵子の名がマンガファンに知られたのは、手塚治虫の主宰するマニア誌「COM」の常連投稿者としてだった。昭和四二年、新人競作の一編として同誌に短編『弟』が掲載されるが、少女マンガ誌へのデビューは四三年に「マーガレット」新人賞佳作となった『リンゴの罪』であった。「少女コミック」に 移った四五年頃より、少年を主人公とした作品を次々と発表し人気を得る。ほぼ同じ頃に上京した萩尾望都と一時共同生活し、相互にライバルとして影響しあった。萩尾が完成された短編にその魅力を多く発揮したとすれば、竹宮恵子はむしろ早くから長編作品においてそのエンターテイナーとしての資質を開花させた。自由に生きる小悪党的少年タグ・パリジャンという魅力的なキャラクターを創造したコメディー『空がすき!』、スケートを取り上げ少年のしなやかな肉体の魅力をいかんなく描いた『ロンド・カプリチオーソ』、二人の王子の戦いを描く古代ファンタジー『ファラオの墓』。いずれも娯楽性豊かな長編として描かれ、ファンの熱狂的な支持を得た。五一年、少年愛の世界を生々しく描いた『風と木の詩』が衝撃的に登場する。自由であるために、自らの肉体をも武器とするジルベールと、彼を守り救おうとするセルジュ。二人の少年の全力を傾けた愛の物語は、ホモセクシュアルの装いゆえにセンセーショナルな話題をまいた。同人誌を中心とした美少年マンガが、少女マンガの変形として一分野を形成するようになったのもこの作品以降である。竹宮恵子の描く「少年」は、現実の少年たちや夢の中の王子さまではなく、自由な精神と美しい肉体を兼ね備えた、少女の純粋な憧れの結晶としての「少年」だった。それは恋愛や結婚の対象というよりむしろ、自由で純粋でありたい少女自身の、形を変えた姿であったのだ。



別冊太陽〔少女マンガの世界 2〕】1991年10月01日
 【別冊太陽〔少女マンガの世界2〕もくじ】
 【米沢嘉博:少女マンガの現在・過去・未来】
 【西谷祥子:時代の中央線を歩け】
 【ささやななえ:三つの衝撃】
 【萩尾望都 ロマンティックな変革者】
 【竹宮恵子 意志と関係論】
 【中島梓:未曾有の時代】
 【進化するSF少女マンガ】
 【米沢嘉博:恋から始まる少女マンガの大冒険】

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