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【PasseCompose ケーコタンを囲む人々】168-169ページ



PasseCompose パセコンポゼ 過去完了形
出版社:駸々堂書店
発売日:1979年04月20日(初版)
大型本:175ページ
資料提供:https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/165995...




【PasseCompose ケーコタンを囲む人々】168-169ページ
森崎偏陸
たらさわみち
ベルネ
伊東愛子
花郁悠紀子
ささやななえ
(図版に続いてテキスト抽出あり)





竹宮恵子の「中年男(ロマンス・グレイ)」
森崎偏陸

アッシェンバッハ(映画同様、作曲家マーラーにしちゃう方がいい)が、床屋で髪を染め、頬に紅をさし、唇くっきり赤くして若返ってゆく自分を、鏡の中に見い出してゆくところを、ケーコタンが微細に描いてくれたら僕はもう、喜びのあまり失神してしまう! 美少年タジオはどうせジルベールのそっくりさんだろうからどうでもいいのだ。「皇帝円舞曲」が一番好き。アダムスの腕の中で死んでしまうウォルフに僕は心底嫉妬したものだ。「変奏曲第二部」のメチェック氏も理 想! オーギュは文句なし。とにかく「風と木の詩」次はオーギュの章に違いないのだ。セルジュの章のリテイクなんていつでも出来るのだから。映画は、ケン・ラッセルとユーゴ・サンチャゴ(日本未公開、ボルヘスの「レ・ゾートル」の監督)なのだけど、リリアーナ・カバーニも好き。新作はルーサロメ(ドミニク・サンダ好演)を主人公にした、ニーチェの「善悪の彼岸」。ニーチェの幻想がとてもホモセクシュアルで、生ける屍と化したニーチェがピアノに向って、いつもいつも同じ曲を弾いているシーンなんぞ、ぞくぞくして涙が出ちゃった。ジルベスターのジルも好きだけど、カラーのタイトル画が少年っぽさを消して大人っぽくなって来た。いっそのこと、ロマンス・グレイのメチェック氏の美少年狩りの自叙伝はどうかしら。ニーチェ没後80年。 1980年はケーコタンの「善悪の彼岸」を期待してしまう。



仕事運──大器晩成型
結婚線──なし
たらさわ みち

本当は、とーっても女らしい竹宮先生!
あ、決して男まさりなどと言っている訳では……多少ありますが……。

つまり、それだけ積極的に人生を楽しんでいる……(語弊があるかな!?)ってことなのですよネ。

でも、端で鑑みる者にとって、本当に先生は、はっとする、どきっとする人物なのです。

とてもよく当る! と評判の、ある姓名判断によりますと、(全てを書くとレポート用紙3枚になりますのではしょりますが、仕事運、出だしで多少苦労しますが後に大変成功をおさめ、大器晩成型─と出ております。結婚運に関しては、あまり良くなく、ここで一般女性は青ざめますが、手相に結婚線も出ていないという、うわさの先生ですから、これには悟りを開いてたりして…(そういえば、以前デパートに家具を買いに行った時、「寿カード」なるものすすめられて笑いこけたことありましたネ!)。つきるところ姓名判断では、歳とともに花開く良い運命、安心して下さい。もっとも信じる信じないは別に、どんどん生きていっちゃう先生でしょうネ。あの、精も根もつきはてる幾多の〆切りのド修羅場を越えてきたのですから.……。しかし、越えても越えても先はド修羅場ですネェ先生! 同業者としては同情かつ、心配ですが、ファンとしては、より多く作品を読みたいので……うっく……!
とっても複雑な立場なのです。



!!ケーコタンは宇宙人だったのだぁ〜!!
ベルネ

それは彼女の言葉、「よくあんな、すごいものが描けますな」(この時は「地球へ」 をさしていた)という私の問いに、電話の彼女はこう答えた。
「だれかに命ぜられてるような気がするのよ。描けって、ウーンホラ頭のうしろの方から、いやもっと遠くから……」

その次に私が言った言葉を大文字の署名入でもう一度!!
“竹宮先生! あなたは宇宙人だったのだぁ”

そういえば思いあたるとアシストさん。
“絶対できないと思ってたカラーがあっというまに出来たりして” それは宇宙人というより超人ではないのかしら……ともかく、=以下荒唐無稽独断的ケーコタン宇宙人説=

う…ん!! 称して恵様御本体! さてそれを人の形に描いてみるとこれは、「風と木の詩」のオーギュスト氏に酷似、性別? 精神体というのは生殖しませんので性は無いの。でもまあ見てくれは男。

さて、年齢となると簡単にはゆかない、恵様御本体は芸術を司るミューズの類、これらは古つわものでしかも永遠に年ふりながら生きつづける。地球の出来る前から崩壊の後も。

さてそのテのものにつきものの翼、これがケーコタンの特徴になっていて半神半魔、(人間の良心と悪心はアンバランスになっていて、皆良心に従っているし、悪心に傾いて犯罪をおこしたりということになっているんだけれど)恵様御本体は完全にそのバランスがとれてる。良き も悪しきも均等に内在していて、それを全く理性的なものがコントロールしているのです。即ち本来の「神」なのです。

そして身の丈、これはケーコタンを暗闇において、目をこらすと彼女の背後に白くうきあがる輪かく、これがいつもの大きさ、私が見かけるのはおよそ6フィート程、でもこれはエネルギーのかげんで増幅するので、あるいはとてつもなく大きくなることもある訳。

さて、宇宙人には三つの要命がある! つまり存在のテーマですな、それは「孤独、理性、そしてエネルギーコントロール」

「地球へ」を思い出して頂きたい、新人類…種を異にするアリアンの孤独、人類の行為と自身の存在を善悪で割りきらない理性、そして超人的能力のコントロール、(これは「集まる日」「オルフェの遺言」シリ ーズのテーマでもありますな)彼女自身が、自分の孤独と理性を深く追求している何よりの証明だと思うのです。それはまた人々への問いかけでもありますが…、考えて見て下さい、はるか、となりあわせ の遠い国に住む宇宙人が、その孤独を「風と木の詩」にたくし、理性を「変奏曲」 にたくし、あなたに発信している。そして彼女は誰をも愛していると言えるし、また愛を「思いのたけ」として計量するものからは誰も愛していないように見えるかも知れない。けれど彼女は愛そのものなのです。彼女を見れば愛が見える、彼女を解すれば愛が分る。それが彼女が最も精神的である由縁であります。「愛そのもの」ケーコタン万歳!?

(さて宇宙人恵様御本体殿、あなたはしばしば肉体ケーコタンを酷使しすぎちゃいませぬか。エネルギーコントロールは、精神生命体に課せられた重要なテーマでありまする。多大の消費には備蓄が肝要、せめて1日あと2時間、多く眠られますように、お願い♡)



なつかしいのはノンタンのハイ・ソックス
センセのうしろ姿
伊東愛子

竹宮先生お元気ですか? と聞きつつ、 私は先生においては元気だろうとなかろうと、原稿をかいているだろうと思い、「あ、お元気ですかなどとアホな質問をしてこりゃいかん」と内心思い、「そうだ、あの人は増山さんが元気ならちゃんと原稿管理も健康管理もできているなあ。そうだ、増山さんお元気ですか? と今度はいうことにしよう」などと考える今日このごろ、私は大変元気… (少々内臓器が痛みますが)です。

先生、このごろ原稿をかいていてめいってくると、先生ってのはじつに、なぐさめのうまーい人だなーってことを思いだす。ほら、なんつーか先生って理屈もなんもぬきにしてただもう同情し同調してくれるのね、「そういう時にはこうしなさい」とかなんとか意見ぽいこと言わないのよね、それで私ってすっきりしちゃうよ。なんかガキ同志のなぐさめあいのような感じだけどその時その時の怒りの解消にはいっちばんいいんだ私にとっては。先生いつも原稿かいててよね、いつまでもいつまでもかいててよね。先生の作品が出なくなったら私は先生が死んだものと思っちゃう。ああ、でもそんなのってうそだなあ、そんなことがあっちゃいけない! いつまでもいつまでも私が死ぬまで先生はかきつづけていてくれなくちゃいけない!! 先生! いつまでも若く美しくしっかり原稿をかいて下さいねマル

P.S プシキャットによろしく♡



竹宮恵子伝説その1
花郁悠紀子

あれは、モスグリーンというのか、それよりはふかみどりといった方がいいような、そんな色のブラウスを(上着だったかなあ)着ていらしたのです。もうかれこれ7年も前の冬、初対面の時。私は緊張に緊張を重ねていたので、その他の事はほとんど記憶にありません。

その服は、いわゆるビロードとかベッチンとかいう類のものだったらしく、ほら、光線のぐあいで光沢が出る布地。なんでそれを覚えているかといいますと、当時彼女は、少年のように短いショートカットヘアをしていたんですが、なんとその髪が、これまさに栗色なんですね。深い緑と栗色! 良い色あわせではございませんか。まさにピッタリ、やつでの葉っぱの上の栗のよう。すてき。

そこで今は、黒としか見えぬ彼女の頭髪をみて、?印を発しつつ、私がそう申しますと「髪? もともとこんな色よ」と竹宮先生は、のたまわれます。いいえ先生、昔はぜったい茶色っぽい髪だったのですよ。その証拠に、私はもうひとつ覚えているのです。保険の勧誘のおばさんがやってきて、ひと目見て、
「あらあ! その髪染めてらっしゃるの オ?」ほらね。



竹宮恵子伝説その2
ささやななえ

……私はこの恐ろしい伝説だけは書きたくなかった……。

それはかつて誰も聞いたことのないような──この事実を知っているのは極少数の人間だけであり、その極少数の人間も今や貝のように堅く口を閉ざしている。

しかし私は書かねばならぬ。手が恐怖におののこうとも、この事実を知らさねばならぬと、私の小さな胸は熱いジャーナリスト(!?)の炎ともいうべきもので、燃えているのであった……。

それは、今から7年ぐらい前のことであった。竹宮恵子さんが初めてのヨーロッパ旅行からもどってきた、晩秋も暮れにかかった或る日のことであった。その頃、居候していた私はひとつの電話をうけとる。

それは某出版社の下請けをしている人からの電話だった。
「実は…ちょっと大変なことが…いや…まァとにかくそちらに行きます」彼の声 は、心なしかうわずっているように聞こえた。

大変なこととはいったい何なのか…? 折りしも家主の一人、竹宮さんは買物にでもでてたのか留守であった。

電話の彼はそれから即、やってきた。何か袋をかかえている。彼はその包みをさしだし言った。「実は大変なことというのは、これのことなんです」包みを開けると、おびただしい量の写真。それは竹宮氏がヨーロッパに行った際に写してきた諸々の風景の写真で、例の某出版社に現像を頼んでいたものであった。「これがなにか」と言いながら、私はハッとした。そういえば竹宮氏が何か言っていなかったか? ヨーロッパで記念にヌードを撮ってきたとか何とか……!?

わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
「!」思わず目で語りかける私に、彼は力なく「ハハハ……」と、同意の声で笑ったのであった……

──竹宮氏は、パリかどっかのホテルのベッドの上でニッコリ笑っていた。胸は隠し、肝心なところも手でかくし……彼女はほほえんでいた。その当時、本当にやせていて少年のような体つきだった竹宮さんはうつぶせになり、また或いはチョコンとベッドの上に座り、照れたような笑いをこちらに向けていた──

それを写してたことを、すっかり忘れてた(おお、うかつな!)竹宮氏自身が、他の沢山のフィルムといっしょに、小学館に(あ、かいてしまった……手渡していたのだった……

幸いなことにその写真を見たものは、出版社でもそれを現像した人とそれを持ってきた電話の彼ぐらいだけだった。(と、言っているがホントかなァ?)

──この写真のことは今や小学館の幻の伝説となっている。

で、当の本人のケーコタンはどうしたかというと、別にどうもしなかった。コロコロと笑い、「やーねェ、いっしょに渡しちゃってたのォ、みんなヤラシインだからァ!?」と言っただけだった。

ただ者じゃありませんのよ、あの人は。

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