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【「風と木の詩」雑誌掲載まで】



「月刊OUT-1979年01月号」48ページより
月刊OUT:竹宮・増山・N子インタビュー
竹宮 少年愛ものにしても「空が好き!」が成功したからこそ「風と木の詩」を描かせてもらえるようになったんです。



「少年の名はジルベール(2019年)文庫」193-232ページより抜粋






『週刊少女コミック』の新しい担当Mさんが訪ねてきたのは、そんなころだ。
初めて会う編集者で、生真面目そうに見えた。
 
私は「ぜひやりたいテーマがあるんですけど」と、だめでもともとの気持ちで『風と木の詩』のネームを見せた。私はこのころにはもう誰彼となく、このネームを見せている。そしてあっさりと「うちでは載せられません」と断られ続けていた。
 
「もちろん今のままでは無理です。面白そうですが、今のままの設定だとさすがに通りにくいと思います。でも次に描く作品が読者アンケートで、もし1位を取れば通りますよ
 
「1位になるような作品を描きましょう!」
これは当時の私にとって、あまりにも高いハードルではあった。しかし、もしそでがクリアできたなら『風と木の詩』を描けるというのは、心から嬉しい。やってみようという気持ちになる。
 
『ファラオの墓』
われながら、悪くないと思った。
 
「『風と木の詩』、認められましたっ! 『ファラオの墓』が終わったら、すぐに準備に入ってください。それほど意地悪というわけでもないでしょう、うちも」
「ウソッ。本当ですか? 本当に? いいんですね? 担当は?」
「そりゃ、僕です」



「扉はひらくいつまでも(2021年)」97-105ページより抜粋



編集者は続けました。「次の連載が読者アンケートで1位になれば、このマンガも通りますよ。作品をヒットさせてくれた漫画家が、『次にこの作品を連載したい』と言えば、説得力がまったく違ってきます。読者が1位に推す作家の発言権は強い。そういうものなんですよ。組織って」。
 
ずっと1位になることを考えながらやってきましたから、2位まで行けたということは、私としてもとても心に残ることでした。1位にはなれませんでしたが、担当編集者も『風と木の詩』の連載をとうとう社内会議に出してくれて、すぐに連載が決まりました。会議の翌日、私のところへやってきた編集者から、「掲載が決まりました。すぐにペンを入れてください」と言われたんです。

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