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【竹宮恵子センセー 美少年を語る!!】1983年11月(33歳)

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COMIC Seventeen 1983年11月号
週刊セブンティーン特別編集
発行所:集英社
発行日:1983年11月20日





「COMIC Seventeen 1983年11月号」94-101ページ
まんが家リレー・インタビュー第5回
竹宮恵子センセー 美少年を語る!!
トシちゃんへ愛をこめて!?
(図版に続いてテキスト抽出あり)











まんが家リレー・インタビュー第5回
竹宮恵子センセー 美少年を語る!!
トシちゃんへ愛をこめて!?


今回のゲストは、週刊STで『L・O・V・愛・N・G』を連載中の竹宮恵子センセー!!
自他ともに認めちゃうトシちゃんファンのセンセーが「トシのお正月映画のまんが化」というワケで熱気ムンムンインタビュー!!


これがウワサの
かしこい洗濯機

編集 えー、前回のささやななえ先生の御紹介で、竹宮恵子先生の豪華な仕事場(アトリエ)にうかがったのですが、これがスゴイ!!

竹宮 そーですか? どちらかとゆーと物にこだわるというか所有欲が強いのかなァ。本当は車の運転をしたくって…V・ワーゲンの古い形のに乗りたかったんだけれど、マネージャーやアシさんたちみんなに「寝不足で乗せられるか!!…」と止められちゃって、しょうがなくって (笑)その気持ちを仕事場(アトリエ)にむけたんですよね。

編集 それでささや先生おっしゃるところの「かしこい洗濯機」もお買いになって…。

竹宮 ええ、1台で洗濯から乾燥まで全部やっちゃうという物で、日本にはまだないんです。ドイツ製で普通の3倍ぐらいの値段だったので悩んじゃって。泣きながら買ったんです(笑)。

編集 音が全然しないとか?

竹宮 本当に静かでね、洗濯機のイメージの音は全然しなくて…で、もっとかしこいのは、最初洗濯物を入れると、少しだけ水が入って洋服類をしめらすんですよね。で、しめったら洗剤が入って、また少しずつ水が入る…というふうに非常にていねいにコンピューターみたいな物で調節されているわけ。あんまりかしこいんで実家もこの洗濯機にしてしまったんです。だけどいっぺん洗濯を始めちゃうと最後まで絶対フタがあかないんで靴下片っぽなんか入れ忘れると悲惨で(笑)。実家にはネコがいるから、ネコが入っちゃったら大変だと(笑)いまから心配してるんですけど…。

編集 そのほかに、この仕事場でのオススメ品は…?(笑)

竹宮 玄関にテレビカメラがついてて…モモエちゃん(註:山口百恵)の家にあるのと同じなんだけど(笑)。お客さんがピンポンとならすと、台所のテレビで見えるようになってるんです。あとは玄関まで行かなくても台所でボタンをおすと、ドアのロックが開閉できるようになってるのとか…。

編集 こういうふうにメカニックにしたきっかけ…というのはあるんですか?

竹宮 うちの母が方角にうるさくて、その方角占いにしたがって建てたら玄関がとっても遠くなってしまって。気軽にハーイといえないのでしょうがない、テレビで見てドアもあけよう…ということになって。そのへんの無意味なデコボコも、占いで作ったんです。わたしはあまり信じるほうではないけれど…。

編集 ささや先生も方角にうるさくて、ずーっと引っこさずにいらしたけど、竹宮さんのお宅があく、というのでやっと腰をあげられたとか…。

竹宮 そう。ここの前の仕事場なんですが。本棚とクーラーをおまけにつける…といったらダンナさまが心を動かして(笑) こないだも電話をかけて遊びにおいでよ…と誘ったらおまけのはずしてあるグリコをいっぱい持ってきて「冷蔵庫にこれしかなかった」と…(笑)。またグリコのおまけをため始めてるみたいですよー(笑)。


実はトシちゃん
ファンなのです

編集 いま週刊STでトシちゃん映画の『L・O・V・愛・N・G』を連載されてますけれど、竹宮さんはトシちゃんの大ファンということで…これは意外というか、作品のムードからすると当然というか、とにかく驚いたんですけど…(笑)。

竹宮 初めはマッチだったんですよね。デビューのころ。で、マッチって目いっぱい明るいでしょ? それに対して、こう、ちょっと違う雰囲気で、ま、先にデビューして3年目だったってこともあって、トシちゃんのほうも気にしていたのね。
で、2人のかけあいが、とっても面白くって50本ぐらいあるんですよ。 ビデオが(笑)。

編集 えー(笑)。

竹宮 だってその瞬間に消えちゃうでしょ? 表情とかね、何考えてやってたんだろーとか、そーいうことが気になって全部とらずにいられないわけ。もちろん自分は仕事中でとれないけれども、まわりに人がいっぱいいるから…。
ドラマもブツ切りでトシちゃんの出てるとこだけ(笑)『たのきん全力投球』なんて、どのくらいあるか…(笑)。

編集 全部トシちゃんだけ?

竹宮 最初はマッチも入ってますけど、だんだんトシちゃんが多くなっちゃって(笑)。わたしのファンも知ってて暑中見舞いに写真はってくれたり(笑)。

編集 トシちゃんのどういうところがよくて…?

竹宮 そうですね…『悲しみtoo YOUNG』を歌っていたころに、明るい歌よりも暗いバラード調の歌が似あうっていうのがすごく好きで。そういうのをもっと歌ってくれないかなー…と思ってたら次がとっても明るい曲で(笑)ガッカリしたり…。それとは別に、トシちゃんって仕事なんかでもこまかくこまかく努力していくみたいな気持ちが見えるでしょ? 神経質でもあるし。そういう部分をこちらで想像しながら追っていくのが好きなんですね、とっても…。

編集 現在の曲は?

竹宮『さらば…夏」ですけれどいい意味でとてもオトナっぽいステキな曲なんですよね。で、アダルトファンみんなでまっ黒い衣装でそろえてコンサートに行こう!!…とかいってたんですけど(笑)のってくれる人が少なくって…。残念でした。

編集 熱狂的ですねー(笑)。

竹宮 もう10年以上もいっしょに仕事をやってるパートナーの増山が初めにお熱をあげちゃって、わたしもひきずられる形でこうなってしまって…(笑)。仕事しててもね、ラジオからイントロが流れてくると「あ、トシちゃんだ!!」とさわぐのね(笑)。まわりの人はわからなくてキョトンとして、やっと歌が出て初めて「わーすごい!!」「どーしてわかるの!?」とかいって驚くんですよね。「そのくらい回数きいてますから」と答えてますが(笑)。

編集 トシちゃん以前にこんなふうに熱狂(?)したことは…?

竹宮 あんまリないんですね。だから中島梓さんに「ハシカ、ハシカ」といってからかわれちゃってみっともないんですけどホント、ハシカなんですね(笑)。

編集 竹宮さんの作品には以前から美少年がたくさん出てきますよね。ウィーン少年合唱団とか…。そういう主人公に対する入れこみからトシちゃんを好きになったみたいなこと?

竹宮 それは、伊東愛子さんがいってたんだけど「キミに薔薇薔薇…という感じ」を歌ってたころね、あれって衣装がとても王子さまだったでしょ? その曲の出だしのところでとってもキレイにまっすぐ立っているんですよね。それがわたしの描く少年の立ち姿にそっくりだといってくれて。「あーそーかな」と思いましたけれど、好きなバランスってあるんですねー (笑)
普通の男の子として見たらマッチのほうが入っていきやすいけど、絵の世界だとトシちゃんになっちゃう(笑)。作品の世界に近いんでしょうね割に壁のある感じで「わー、 のぞいてみたい」と。

編集 竹宮さんの『スター』という作品にマッチとトシちゃんのような少年が出てくるんですけれども…。

竹宮 あれはずっと前の作品で『イヴの総て』みたいなハリウッド映画からヒントをえて。それにもともと少年歌手に興味があったのね。 ウィーン少年合唱団から始まって、いまはもう年なんですが、ロベルティーノというカンツォーネの天才少年歌手とかね。そういう時代からテープや写真を集めてますから、トシちゃんを好きになるのは当然…という気もしますけれど(笑)。

編集 じゃ、そういう美少年の情報ファイルがあるとか? 資料として…。

竹宮 ええ、ためこんであり す(笑)。古いのだとオープンリールのテープから、現在のビデオまで地下室にいっぱい。
トシちゃんたちなんかのビデオだと、何をやったときのものかわからなくなるでしょー。ブツ切りで数だけいっぱいあるものですから(笑)。 で、見たいときにすぐわかるように、ノートにびっしり整理してあって、あのときのあの場面が見たい、というとすぐわかるようになってます(笑)。


わたしは
美少年研究家!?

編集 それじゃ美少年みたいなもの、たとえば「笑っていいとも!!』の美少年コンテストなんかはごらんになります?

竹宮 ええ、食事どき…といってもわたしたちはあの時間が朝食なんですが(笑)  みんなでついつい見ちゃうんですよね。それと…寺山修司さんが亡くなる直前、美少年コンテストがあって『毛皮のマリー』という劇のためなんですけれど、それを見に行って…結論としてね、美少年を自称する人にはあんまり美少年はいない!!(笑)ということになって。で、『笑っていいとも!!』 は水着姿で出てくるだけたからいいけど『毛皮のマリー』のほう は、その格好で踊るんですよね。そうするともう、美少年のイメージがくずれちゃって(笑)。
その点トシちゃん、マッチというのは踊ってもくずれないから大したもんだな…と逆に感心したりして(笑)。

編集 じゃあ町を歩いていて追いかけたくなるような美少年を見かけたことは…?

竹宮 美しくってですか? うーん…外国ではよくありましたけどね(笑)。日本ではないですね。パリもあんまりいなくって、北欧はもう全員が美少年、美青年ばっかりで見ててあきるというか(笑)。 ほんとうにキレイだなーと思うことが多いのはドイツ系かな…。汚れてないというか悪ガキっていう感じがしないのね。全然。それがよく考えるとブキミだけど(笑)。ミルクくさいっていう感じ、わかるかな?

編集 その割にはオトナに美しい人がいないとゆーか、みんなムサくるしくヒゲはやしたり。

竹宮 あれは自分が子どもに見られたくないためにはやすみたいですよー。なるたけムクツケキ男になりたいみたいで(笑)。美しいままではいたくないみたいですね。もったいない(笑)。ときどき車掌さんとか、そーゆう実になんてことない人たちにとっても美男子がいるんですよねー(笑)。

編集 それでよくヨーロッパにいらっしゃる(笑)。

竹宮 いや最初はほとんどそうでしたけど、最近はコンタクトをとりたくなってきてね。写真とかだけじゃなくって、お友だちになりたいとか、いっしょにつれて帰ってみたいとか(笑)。

編集 おみやげに?(笑)

竹宮 ええ(笑)。でもねー、なかなか休みがとれなくてね、残念です(笑)
今年も休むつもりだったけれど、こんどの『L・O・V・愛・N ・G』のお仕事ができることになって、とりやめましたが、今回は休みがおしくなかった(笑)。


トシちゃんと
結婚…なんてね

編集 うーむ、パワー十分で連載にとりくんでらっしゃるのがヒシヒシと伝わってきますが、今回の『L・O・V・愛・N・G』 が現実に映画とかのモデルがある、という意味では初めてですよね?

竹宮 そうですね。こういう形ではもちろん初めてで、たのきんファンの人に怒られるんじゃないか…というか、ファンの方の反応が心配で…。自分が彼のファンだということもあるし、とにかくもう一生懸命、ひたすらキレイに描くことに精進していこうと…(笑)。でも、今回の連載でホントウにわたしとしては、珍しいことなんですけど、最初のシメキリがくる前に最終回までのネーム(注・コマ割りやセリフをざっと書いた下書きのようなもの)があがってしまって、マネージャーや増山に前代未聞だ…とさわがれてますけれど(笑)。すごいでしょ?
で、わたしの場合、少年愛を描いた『風と木の詩』がすごく有名になっちゃって、別に普通の男の子の話も描いているのに変なほうがクローズアップされてしまったというか…(笑)。
あの話は、これさえ描き終わればもう少年愛の話はいっさい描くまいと思って始めたのですけれど、なにせもう7年も続いてるんで(笑)色がなかなか消せないというか…。もっといろいろ女の子を主人公にしたりしたいし、そのきっかけというと変だけれど、わたし人をびっくりさせるの大好きだから、いままで少年愛というどちらかといえばマイナスなイメージだったのが、メジャー中のメジャーみたいなたのきん映画、あ、いまはトシちゃん映画っていうのかな、みたいなものを描くっていうのは、とってもおもしろいと思うんですよね。自分をためすっていうか。「えー、どうして!?」って読んだ人が思ってくれるとうれしいな…(笑)って。
わたし、ほんとうはメジャー志向なんですよー(笑)。

編集 この作品の打ち合わせのときでも、竹宮さんに増山さんと2人並んでらして、ときどき思い出したように「あなた、がんばんなさいよ、がんばんなさいよ!!』って竹宮さんをつつきながら増山さんが5回ぐらいおっしゃったりして(笑)かなリの入れこみですが…。

竹宮 そうなんですよ。ファンの人たちの反応も心配ですけど内部のプレッシャーのほうが強いというか(笑)あれだけ夢中になってる人がそばにいるわけですから、マズいことは描けないぞ…という感じで。何よりも彼女の目がコワい…と(笑)

編集 じゃ、今回の作品で苦労されたことというのは?

竹宮 そうですね…苦労ということではないんですが、こんどの役柄がとっても冷たい感じがするんですよね。トシちゃんが「この主人公は何を考えてるかわからないのが、ぼくと同じだ」といってるくらいなんだけれど、すごくわかるのね、その感じ。 話自体もちょっとハードだし…その割にトシちゃんの髪形ってフワフワとかわいいでしょ? だから前髪のスタイルをちょっと変えてみたんです。いま流行の形に…。
それで主人公の名前が立花協っていうんですけれども、台本読んでいるとね「協!!」と呼ぶ シーンなんかがあると、相手役の人が「トシ!!」とか呼んでNGにならないかなー(笑)とか心配しちゃうんですよねー。そんなミスってないのかしら?

編集 わりと親身になって心配してますね(笑)。

竹宮 ええ、もう親心というかなんというか(笑)。それよりもいまは、もう、とにかくいかによく描くか、ということで必死なんです。読んだみなさんから応援していただけるような、トシちゃんにもなっとくしてもらえるような作品にしようということで。

編集 なんかトシちゃんの話をされてると、目が輝いてますねー(笑)。

竹宮 うん、でも、しかし、現実的な話ですけど、トシちゃんと…うふふ、うふふふふー…結婚するとしたらムズかしいでしょーかねー(笑)とか、みんなにいろんなこといったりしてるんですよー。「結婚するって、いったいいくつはなれてると思ってるの?」とかいわれて(笑)

編集 増山さんと2人で深刻に話されてるとか(笑)。

竹宮 いや、まさか(笑)…そーゆーものではないですけど(笑)  ファンになる人って一度はそーいうことを考えるでしょー? 恋人とかダンナさんにするとかね。本気だったらいえないですよー!! 10歳以上も離れているのに(笑)!! ファンのみなさんジョークですよ、ジョーク!!

編集 じゃあ星占いとかで占ったり?(笑) ジョークで(笑)。

竹宮 もちろん!!(笑) だからおたがいに悪口いいたくなったときなんか「あんたなんかトシちゃんと相性悪いんだからー!!」とかいって、足をひっぱりあったりして(笑)

編集 これはもう、まんが家というより完全なファンとしての会話ですねー(笑)。これだけのパワーをそそぎこんで描かれてるわけですから、読者としてはとても楽しみなんですが、楽しみといえば、この作品は「コミックST」の次号新年1号で総集編として登場する予定なんですよね。ドーンと!!

竹宮 ええ、そのときには連載中に描ききれなかったエピソードとかを描きくわえたいんですね。だから、二度楽しめるというか、本に連載されたときより物語がふくらむはずです。
網走ロケに取材に行ったりして、描きたいシーンとかがいっぱいあるんですよね。連載中に描ききれるといいんだけれどどうしても無理な場面とかあるから…。

編集 では最後に、トシちゃんにひとことおっしゃりたいこととかありますでしょうか?

竹宮 ひとことですか? むずかしいけれど…いつまでも夢中になれる人であってほしいな。
いまの歌がオトナのムードでステキだから、その調子でがんばってほしいなァ…と。まったくファンとしての意見ですが。

編集 どうもありがとうございました。連載のほう、がんばってください!!

竹宮 それはもう、はいっ!!



次号のゲストは……
魔夜峰央センセーです!!

編集 では恒例の「お友だち紹介コーナー」ですが…。

竹宮「パタリロ」の魔夜峰央さんを…。まだパタリロを始めたばかりのころ、魔夜峰央特集号が出るというので、それのための対談で会ったのが初めてなんですけど…。

編集 本シリーズ初の男性まんが家!!

竹宮 ええ(笑)。描いてる作品とは違って、割と女の人のほうが好き(笑)という感じで、とても面白い人で。タモリに似てるし。
自分の作品のようにキザでね(笑)。うちに遊びにくるときにも、すごい大きなバラの花束を持ってきてくださったんですが白いスーツに黒いシャツ、タバ コが金色で赤いバラをかかえて…(笑)すごいでしょ? 美少年のアシさんもいるし。

編集 このあいだ『美少年コンテスト』に出た、あのかた…。

竹宮 ええ(笑)。それで、このあいだ引っ越しの通知をいただいたんですけど、そのハガキに「竹宮さん、まだ愛してます」って書いてあったんですね(笑) あれはどーゆー意味なんでしょうねー。
それに、あのかたの結婚問題についてもおききしたいし…いったいどーなってるんですか!?…と!!(笑)。

編集 どうもありがとうございました!!


COMIC Seventeen
 【竹宮恵子センセー 美少年を語る!!】1983年11月号(33歳)
 【わたしのデビュー時代:竹宮恵子・増山法恵】1984年11月号(34歳)

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