【萩尾望都：メメがいたい】
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mototemplate 2021年12月16日(木) 12:58:25履歴
【萩尾望都：メメがいたい】
1973-1974年
萩尾「小鳥の巣」執筆
竹宮「あなたは私の作品を盗作したのではないのか？」
萩尾 眼病発症
萩尾 英国ブライトン滞在
竹宮「ロンド・カプリチオーソ」連載
参考【竹宮恵子：ロンド・カプリチオーソ】
1973年03月頃
「一度きりの大泉の話」本文431-432ページ
「萩尾望都が萩尾望都であるために 城章子」
そんな頃（まとめ註：『小鳥の巣』の連載３回目の原稿執筆時→1973年３月頃）に、萩尾先生の眼病が発症しました。
『小鳥の巣』の連載３回目の原稿の仕事に呼ばれて行ったんです。そしたら、萩尾先生の目が真っ赤で。眼球の白いところが真っ赤で、身体には蕁麻疹も出ていて、見るも恐ろしい状態だったんです。原因も全然わからないし、どうしたらいいんだろうって「あったかいタオルを目に当てたらいいかもしれない」 なんて言いながら、あたふたとタオルをあたためた覚えがあります。
本当に酷い症状で、一言で言うなら悲惨というような。漫画を描き出すとば ーっと症状が悪化するんです。本当に目を開けていられない、外も歩けない。とても放っておける状態ではありませんでした。
1973年03月半ば頃
「一度きりの大泉の話」本文147ページ
11 『小鳥の巣』を描く1973年２月~３月
夜、マンションに呼ばれる
２回目も描き終わり、入稿してホッとした頃。話があると言われて、竹宮先生と増山さんが住んでいるOSマンションに呼ばれました。３月の半ば頃でした。
話って何だろうなあ？ 何も構えず、夜、そこを訪ねたら、竹宮先生と増山さんから質問を受けました。
「あなたが描いてる『小鳥の巣』の連載だけど、１回目を読んだんだけど、あれは」
その時の記憶は頭が真っ白になってしまったので、あまりはっきりしません。つまり「なぜ『小鳥の巣』を描いたのか？」という質問です。
「一度きりの大泉の話」本文149ページ
「私も男子寄宿舎の話を描こうと思っている」（まとめ註：竹宮発言）
知ってますよ、少年愛の話ね？ ちょっと読ませてもらったあれね。
「学校は池のそばにある。温室もある。生徒が青いバラを作ろうと研究をしている」（まとめ註：竹宮発言）
うん、いいんじゃないの？ やっと言いました。
「描けばいいと思うよ？ なんで描かないの？」（まとめ註：萩尾発言）
「あなたは私の作品を盗作したのではないのか？」（まとめ註：竹宮発言）
「一度きりの大泉の話」本文150ページ
「私たちは少年愛についてよく知っている。でも、あなたは知らない。なのに、男子寄宿舎ものを描いている。でも、あれは偽物だ。ああいう偽物を見せられると私たちは気分が悪くてザワザワするのよ。だから、描かないでほしい」という風なことをおっしゃるのです。
「一度きりの大泉の話」本文152ページ
ぐるぐる考えて、３日ほど経った時、竹宮先生が私のアパートにやって来ました。
彼女が一人で来たのは初めてなので、不思議でした。お茶を出しました。
（略）
そっと「何かまた私に言いたいことがあって来たのでしょ？」と聞くと、「この間した話はすべて忘れてほしいの、全部、何も、なかったことにしてほしいの」と、おっしゃいます。
「一度きりの大泉の話」本文153ページ
迷っていると、すうっと封筒に入った手紙を出して、
「私が帰ったら、これを読んでください」
そして手紙を置いて帰っていきました。私は手紙を読みました。
（略）
その手紙を読んでも、私には彼女の意図がわかりません。
「一度きりの大泉の話」本文157ページ
やがて目が痛くなってきて、痛みは日ごとに増しました。針でずっと刺されているようで、目を開けると痛さに涙が止まりません。目を開けると、チリチリと痛い目から涙がたらたら出てきます。それをふきふき、仕事をしました。
何度か近所の眼科に行って診察を受け、眼圧の検査もしましたが、目に異常はなく、なぜ痛いのかわからずじまいです。
熱いタオルを当てるとちょっと痛みが和らぐので、仕事中はずっとタオルを当て、目がおサルのお尻のように真っ赤になりました。
仕事を手伝いに来ていた城章子さんが、生活のことも、いろいろと手伝ってくれました。
「一度きりの大泉の話」本文158ページ
山本さんも心配して「どうしたんだよ。じゃあ、俺の知ってる眼科を紹介するよ」と、わざわざ連れて行ってくれました。いろいろ検査してもらいましたが、そこでも目の痛みの原因はわかりません。「お前、疲れてるんだろ」「はあ、大丈夫です」「ちゃんと休めよ」「そうします」
山本さんだってお忙しいのに、時間を取ってもらって申し訳ないと思いました。
ちょうど光化学スモッグで目や頭が痛くなると話題になっていたので、「光化学スモッグのせいかもしれない」と、私は周りの人に言っていました。
ただ、その時何日も仕事を手伝ってくれてた城章子さんにだけは相談しました。
1973年
図版「い〜ものみつけた（ハート）モトちゃん」
別冊少女コミック1973年07月号
●目を痛めている萩尾望都を囲む「極悪友ども」
1973年
図版「小鳥の巣」予告カット
週刊少女コミック1973年第28号
※「小鳥の巣」別冊少女コミック1973年04-07月号連載
●「左図は、盲導犬をひいて、あんまにいくわたしです。目を痛めまして、しばらくは、世のなかからポーとともに、遠ざかるつもりであります。」
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/162506...
1973年09月
９月から翌1974年の２月まで英国ブライトンに滞在
1974年
図版「ハワードさんの新聞広告」（英国滞在中に描いた作品）
別冊少女コミック1974年03月号
●「一度きりの大泉の話」194ページ（目から涙を流しているバッテン目の自画像）
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/162279...
1974年
図版「みんなでお茶を」
別冊少女コミック1974年04月号
●手書き文字「メメがいたい メメが… メメが…」
拡大↓
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/162279...
1973-1974年
萩尾「小鳥の巣」執筆
竹宮「あなたは私の作品を盗作したのではないのか？」
萩尾 眼病発症
萩尾 英国ブライトン滞在
竹宮「ロンド・カプリチオーソ」連載
参考【竹宮恵子：ロンド・カプリチオーソ】
1973年03月頃
「一度きりの大泉の話」本文431-432ページ
「萩尾望都が萩尾望都であるために 城章子」
そんな頃（まとめ註：『小鳥の巣』の連載３回目の原稿執筆時→1973年３月頃）に、萩尾先生の眼病が発症しました。
『小鳥の巣』の連載３回目の原稿の仕事に呼ばれて行ったんです。そしたら、萩尾先生の目が真っ赤で。眼球の白いところが真っ赤で、身体には蕁麻疹も出ていて、見るも恐ろしい状態だったんです。原因も全然わからないし、どうしたらいいんだろうって「あったかいタオルを目に当てたらいいかもしれない」 なんて言いながら、あたふたとタオルをあたためた覚えがあります。
本当に酷い症状で、一言で言うなら悲惨というような。漫画を描き出すとば ーっと症状が悪化するんです。本当に目を開けていられない、外も歩けない。とても放っておける状態ではありませんでした。
1973年03月半ば頃
「一度きりの大泉の話」本文147ページ
11 『小鳥の巣』を描く1973年２月~３月
夜、マンションに呼ばれる
２回目も描き終わり、入稿してホッとした頃。話があると言われて、竹宮先生と増山さんが住んでいるOSマンションに呼ばれました。３月の半ば頃でした。
話って何だろうなあ？ 何も構えず、夜、そこを訪ねたら、竹宮先生と増山さんから質問を受けました。
「あなたが描いてる『小鳥の巣』の連載だけど、１回目を読んだんだけど、あれは」
その時の記憶は頭が真っ白になってしまったので、あまりはっきりしません。つまり「なぜ『小鳥の巣』を描いたのか？」という質問です。
「一度きりの大泉の話」本文149ページ
「私も男子寄宿舎の話を描こうと思っている」（まとめ註：竹宮発言）
知ってますよ、少年愛の話ね？ ちょっと読ませてもらったあれね。
「学校は池のそばにある。温室もある。生徒が青いバラを作ろうと研究をしている」（まとめ註：竹宮発言）
うん、いいんじゃないの？ やっと言いました。
「描けばいいと思うよ？ なんで描かないの？」（まとめ註：萩尾発言）
「あなたは私の作品を盗作したのではないのか？」（まとめ註：竹宮発言）
「一度きりの大泉の話」本文150ページ
「私たちは少年愛についてよく知っている。でも、あなたは知らない。なのに、男子寄宿舎ものを描いている。でも、あれは偽物だ。ああいう偽物を見せられると私たちは気分が悪くてザワザワするのよ。だから、描かないでほしい」という風なことをおっしゃるのです。
「一度きりの大泉の話」本文152ページ
ぐるぐる考えて、３日ほど経った時、竹宮先生が私のアパートにやって来ました。
彼女が一人で来たのは初めてなので、不思議でした。お茶を出しました。
（略）
そっと「何かまた私に言いたいことがあって来たのでしょ？」と聞くと、「この間した話はすべて忘れてほしいの、全部、何も、なかったことにしてほしいの」と、おっしゃいます。
「一度きりの大泉の話」本文153ページ
迷っていると、すうっと封筒に入った手紙を出して、
「私が帰ったら、これを読んでください」
そして手紙を置いて帰っていきました。私は手紙を読みました。
（略）
その手紙を読んでも、私には彼女の意図がわかりません。
「一度きりの大泉の話」本文157ページ
やがて目が痛くなってきて、痛みは日ごとに増しました。針でずっと刺されているようで、目を開けると痛さに涙が止まりません。目を開けると、チリチリと痛い目から涙がたらたら出てきます。それをふきふき、仕事をしました。
何度か近所の眼科に行って診察を受け、眼圧の検査もしましたが、目に異常はなく、なぜ痛いのかわからずじまいです。
熱いタオルを当てるとちょっと痛みが和らぐので、仕事中はずっとタオルを当て、目がおサルのお尻のように真っ赤になりました。
仕事を手伝いに来ていた城章子さんが、生活のことも、いろいろと手伝ってくれました。
「一度きりの大泉の話」本文158ページ
山本さんも心配して「どうしたんだよ。じゃあ、俺の知ってる眼科を紹介するよ」と、わざわざ連れて行ってくれました。いろいろ検査してもらいましたが、そこでも目の痛みの原因はわかりません。「お前、疲れてるんだろ」「はあ、大丈夫です」「ちゃんと休めよ」「そうします」
山本さんだってお忙しいのに、時間を取ってもらって申し訳ないと思いました。
ちょうど光化学スモッグで目や頭が痛くなると話題になっていたので、「光化学スモッグのせいかもしれない」と、私は周りの人に言っていました。
ただ、その時何日も仕事を手伝ってくれてた城章子さんにだけは相談しました。
1973年
図版「い〜ものみつけた（ハート）モトちゃん」
別冊少女コミック1973年07月号
●目を痛めている萩尾望都を囲む「極悪友ども」
1973年
図版「小鳥の巣」予告カット
週刊少女コミック1973年第28号
※「小鳥の巣」別冊少女コミック1973年04-07月号連載
●「左図は、盲導犬をひいて、あんまにいくわたしです。目を痛めまして、しばらくは、世のなかからポーとともに、遠ざかるつもりであります。」
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/162506...
1973年09月
９月から翌1974年の２月まで英国ブライトンに滞在
1974年
図版「ハワードさんの新聞広告」（英国滞在中に描いた作品）
別冊少女コミック1974年03月号
●「一度きりの大泉の話」194ページ（目から涙を流しているバッテン目の自画像）
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/162279...
1974年
図版「みんなでお茶を」
別冊少女コミック1974年04月号
●手書き文字「メメがいたい メメが… メメが…」
拡大↓
資料提供
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/gcomic/162279...
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